企業は単に人を雇い、こき使えばいいというものではありません。最近は、法令順守つまりコンプライアンス意識が浸透しており、きちんと社員や従業員の安全や健康に配慮して使用しなければならないことが求められているのです。特に建築や解体現場は、危険と隣り合わせの作業ばかりなので、より一層の安全配慮が企業側に求められています。安全帯やヘルメットの着用を徹底したり、現場監督を配置し、命綱を必ずつけたり安全策を設ける事はを徹底させなければなりません。
加えて、建材や材料が職人たちに健康被害を及ば差ないかも配慮して、事前に検査しておかなければならないこともあります。例えばアスベストが代表的な物でしょう。アスベストは、高度成長期手軽で安価な建材であり、熱伝導性や断熱性電気絶縁性に耐アルカリや耐酸性があるので頻繁に使われていきました。最近では高度成長期の建物の老朽化が甚だしく、解体やリノベーションの必要があり、そのたびにアスベストの飛散が職人たちの健康を脅かさないかが危惧されているのです。
肺に入り込むと肺がんなどを発症するので非常に危険だからです。そこで工事着工前に必ず行わなければならないのがアスベスト検査であり、施主やオーナー、解体業者や不動産業者が行うことが義務化されています。その検査の方法はいたってシンプルで、建物の検体を一部調査会社に郵送するだけで完了できます。調査会社は偏光顕微鏡を用いて定性や定量検査を行います。